2019/07/25

第48回新生流体科学セミナーに行ってきました。

こんにちは。M2の瀬戸口です。

九州地方では梅雨が明けたそうですが、関東はいつ明けるのでしょうか。
最近は、雨が降らなくなったと思いきや、猛暑が到来して身体がびっくりしています。

久しぶりのブログ投稿ではありますが、今回はタイトルにもありますように、
新生流体科学セミナーにドクターの岸さんと参加しましたので、レポートさせて頂きます!

新生流体科学セミナーは今回で第48回目ということで、歴史あるセミナーです。
このセミナーでは過去に金崎先生やドクターの岸さんも講演された経験がありまして、当研究室では馴染み深いと(勝手に)思っています。

今回は、東京大学本郷キャンパスで開催されました。
なんだかんだ、初めての赤門(だと思われる)だったので、写真をパシャリ。



JAXA航空技術部門の高石武久様より、「空力音問題への取り組み」とタイトルの講演を聴講させていただきました。
高石様は、鉄道総研での勤務経験もあり、航空機の話のみならず高速鉄道や自動車に関する空力音の話まで幅広く講演されました。どの話も大変興味深く、あっという間の2時間でした。大きく分けて、空力音の理論背景・実際の騒音低減対策・最近の取り組みの3本柱でお話されました。

講演のはじめは、空力音の理論ということで、良く知られているLighthill方程式、Curleの式などについて、流体の知識はあるけれども空力音については素人な私にも分かるようなご説明を頂きました。とにかく、低マッハ数において、渦の非定常運動が空力音に与える影響についての重要さを再認識する機会となりました。

中盤の講演内容である、実際の騒音低減対策についても、鉄道総研に勤務されているときの経験談やJAXAのプロジェクトであるFQUROHプロジェクトの話など、大変興味深いものでした。個人的に特に面白いと思ったことは、多孔質材を用いた空力音の低減対策です。詳細は、論文を参照していただきたいのですが、多孔質材を円柱にまきつけることで、円柱後流の流れが、多孔質材をまきつけていない場合の円柱と比べて、(説明が難しいので端的な説明ですみませんが)大きく様子が異なったことです。しかも、渦度の大きさは変わらないのにも関わらず。さらに、その結果、大幅な空力音の低減効果を示したそうで、驚きました。(是非、論文を参照ください。)

終盤の、最近の取り組みと雑感ということでした。成田空港で行われた音源分布の測定経験であったり、国産旅客機についての話であったり、どれもまた興味深いものでした。特に、講演全体を通して、私は雑感のところで高石様が仰っていた一言に胸を打たれました。
その一言とは、「航空宇宙業界は、技術レベルや学術レベルが高く、海外との交流も盛んで素晴らしいけれども、良くない意味で特別意識が強い」です。つまり、航空宇宙業界は、高級な技術を使って、難しい研究などを行なっているのは確かですが、他分野の研究に対するリスペクトが小さいのではないか、というご指摘です。この言葉は、他分野を経験された高石様だからこそ、深い意味を持つ言葉であると、私は思います。それぞれの分野に、それぞれの困難がある、ということで他分野を尊重・リスペクトすることの重要さを再認識するキッカケとなりました。

まだまだ、述べたいことは多くあるのですが、書ききれなく、長すぎると読み手の皆様も飽きると思うので、このへんで終わらせていただきたいと思います。
やはり、こういった貴重なセミナーは良い刺激を頂ける最高の機会なので、研究室の皆様も積極的に参加していきましょう!と思いました笑

それでは、前期末評価に向けて研究室一同がんばりましょう。
お疲れ様でした。

瀬戸口




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