こんにちは,M2の高木です.
先日,第57回流体力学講演会/第43回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウムに参加してきました!
場所は東京都江戸川区のタワーホール船堀です.
この学会で主に得られたことは2つあります.MIT (Massachusetts Institute of Technology) 出身のエンジニアから,最新のCFD (Computational Fluid Dynamics) 技術について学べたことです.
AIの発展とともにGPUの応用技術も格段に進歩している中,CFDにおいてもGPUベースにすることで,従来の計算時間と比べて約30~40% の時間で計算を行うことが可能となったようです.
CFD を用いた概念設計の研究をしている私にとって,この技術は非常に魅力的で,私もこの技術を今すぐに使えたらと思いました. (現状計算時間が1ケースあたり2~3日かかってます...)
もう1つは最新の航空・流体研究の動向を知ることができたことです.
特に興味深かった発表として,デルタ翼でのウイングロック現象をPSP法 (Pressure-Sensitive Paint) によって実験的に観測する研究があります.
ウイングロック現象は,高後退・前進角の主翼で高迎角時に生じる前縁渦が左右非対称な崩壊が原因で,機体が勝手にロールしてしまう自励振動を指します.
発表者の方によると,翼表面の圧力を非定常的に観測する際のノイズ除去が課題とのことでしたが,左右主翼の圧力変動の傾向は捉えられているようでした.
私も前進翼の離着陸に関する研究を行っており,この研究で得られた知見が私の研究に役立つ可能性が高いため,今後の進展に注目していきたいです.
最後に,様々な発表を伺う中で,構造 - 流体連成計算を取り入れた研究が多いという印象を抱きました.
いずれの研究も高度な構造モデルを構築しており,1つ1つに感銘を受けました.計算機の性能が上がり続けている中,よりfidelity の高い研究を追求するには,流体だけでなく構造解析にも目を向けることが必須になりつつあるのかもしれません.